コラム

2017/05/12

開通前の高速道路を歩いて(山梨・SA)

開通前の高速道路を歩いて


▼3月19日に中部横断自動車道六郷IC~増穂IC間9・3㎞(山梨県内)の供用が始まった。開通直前には高速道路を歩くウオーキングイベントが開かれた。当日は晴天に恵まれ、高速道路に続く入口には家族連れなど参加者の長蛇の列ができていた。参加者は約3000人と、イベントへの関心の高さを感じた


▼催しの開催時刻を過ぎても、先頭付近の列がなかなか道路に進まない。10分ほど経過し、やっと受付近くのテントにたどりつくと、限定のどら焼き配布とタブレットを持った係員が、参加者の顔写真をモザイクアートとして使うための撮影をしていた


▼モザイクアートは参加者の正面写真を何枚も組み合わせて、富士山と本栖湖の湖面に写る逆さ富士の絵をリアルタイムで仕上げる試み。使用した写真は4500枚以上に及び、完成したポスターは道の駅富士川や中央自動車道双葉SAに期間限定で掲示されている


▼撮影を終えウオーキングが始まると、トンネルを含む往復約7㎞で参加者たちはカメラを手に、富士川橋から八ヶ岳を望む景色やトンネル内に備えるジェットファンをカメラに収めていた。自動車で通過すると気付くことができないが、万が一の事故を想定した非常電話や消防設備などのきめ細かな設備が整っていることに安心を覚える


▼普段は歩けない場所での散策やモザイクアートを撮ったひとときは、参加者にとって貴重な良い思い出となるに違いない。人々の生活や経済を支える構造物が参加者にとって身近な存在になる良いきっかけになればと感じた。設計や建設工事に携わった皆さんの労が報われることを願って。(山梨・SA)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら