コラム

2017/05/26

木々の成長に思う(茨城・EM)

木々の成長に思う


▼5月。梅や桜は花の見ごろを終え、白やピンクの華やかな装いから青々とした葉に衣替え。活力のみなぎりを感じさせる。新たに建設産業へと踏み出した若者たちもまた、初々しくもはつらつと日々業務に取り組んでいることだろう。5月病などにかかることなく、ものづくりの継承者として、木々の勢いさながらに成長してほしい


▼わが国は国土の3分の2を森林が占める。スギ花粉などのアレルギー症状に悩まされた読者も多くおられるだろうが、森林には二酸化炭素吸収による温暖化防止や自然災害の被害抑止などの実益に加え、安らぎを感じさせる心理的効果も


▼樹木の分類には高木、中木、低木や、常緑樹と落葉樹、針葉樹と広葉樹といったものがある。梅や桜は高木で落葉の広葉樹。サツキやツツジは低木で常緑の広葉樹。同じマツ科でもアカマツやクロマツは常緑樹で、カラマツは落葉樹


▼「徒長枝(とちょうし)」「ひこばえ」「胴吹き枝」。これらは樹木の姿を整える際、切るべきとされる枝の呼び名。徒長枝は上に長く伸びる枝、ひこばえは地際から出た枝、胴吹き枝は幹から出る枝を指す。剪定に適した時期は樹種ごと異なり、頃合いを見誤ると成長を損なうことに


▼この知識は地域の造園団体が行政向けに開いた研修会で得たもの。同団体は発注者にも植栽管理の理解を深めてもらおうと毎年研修会を開催。ことし2月の研修では各社の若手を集め、熟練技能者による実技指導も併催した。業界の将来を見据えた素晴らしい取り組みだと思う。若者たちには徒長枝もひこばえもない。八方に枝を伸ばし、いつの日か大樹となることを期待している。(茨城・EM)


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