コラム

2017/07/15

水はたからもの(山梨・SA)

水はたからもの


▼梅雨に入ったということだが、東日本ではらしくない熱暑の夜が続いている。一方熊本では昨年に続き大雨による災害が発生し、多くの命と住む家が奪われている。内閣府は2年連続で激甚災害に指定し早急な復旧復興を促す。ことしの夏は水が恋しい季節になるのか不安になる


▼しかし静岡県の安倍川では水が干上がったというニュースも目にした。川の一部では瀬切れが発生し、ポツポツと残る水たまりの中で懸命に生きるアユを心配する地元の声が印象的だった。このままでは生態系にも支障が生じ、地域では節水を呼び掛けていくようだ


▼毎年6月初めに国や自治体で取り組んでいる「水道週間」。ことしのスローガンを見ると「あたりまえ そんなみずこそ たからもの」。標語にある普段から当たり前に使用している水だが、枯渇して使えなくなった時に初めてありがたみを知るもの。飲用や生活に使えるよう携わっている方々に感謝しなければならない


▼先日秋田に電車で向かった。秋田新幹線こまちの車窓からは、まるで鏡を見ているかのような水はりした田んぼの景色が広がっていた。その時期ならではの風景だ。電車が山間部に入ると真っすぐに伸びる樹木の緑が美しい。これらを創出してくれる要因の一つは水。雨水や雪解けの水が浸透して大地が潤っているのだと気付かされる


▼近年発生するゲリラ豪雨や堤防を決壊させる大災害をもたらす大雨だけは避けたいが、必要最低限の生活が営めるような地球環境に戻していくことが、地球に生きる私たちの今後の課題だろう。豊富な収穫が期待できる恵みの秋を楽しめるよう、天に願いたい。(山梨・SA)


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