コラム

2017/07/19

将来への期待感が大事(群馬・OS)

将来への期待感が大事


▼貧乏な医者というのを見たことがない。乗っている車は大抵外車か国産でも上位クラスの高級車。待合室にあまり患者がいない病院でも、廃業せずに続けていられるから不思議だ


▼医者=金持ち。そのイメージは今も昔も変わらない。人を救う仕事がしたい。そうした動機で医者を志す人は多いだろうが、プラス金持ちになれるから、という人も少なからずいるはずだ


▼弁護士はどうだろう。最近は供給過多で仕事にありつけない人もいるようだが、やはり儲かるというイメージは強い。テレビドラマで描かれる弁護士も大抵高そうなスーツに身を包み、立派なオフィスを構え、悠然と相談に乗っている。最近は過払い金請求で儲けているであろう事業者も多く、その手の広告もよく目にする


▼どの業界にも、経験や技能が上がるにつれそれに見合った待遇が受けられる、という図式は必要だ。いわゆるペーペーのうちは収入は少ないが、腕を上げればそれなりの報酬が得られる。医者も弁護士もその資格の取得が大きなウエイトを占めるものの「がんばれば将来高給取りになれる」という期待感はある。これから志す人にとって、こうした道筋が見えることは大きい


▼建設業はといえば、元請けの経営者は高級車に乗っていて、高給取りというイメージ。だが実働部隊となる下請けはどうだろう。ほとんどが「職人」でひとくくり。個人の評価も大ざっぱで待遇もさほど変わらないのではないか。いま業界で議論されている建設キャリアアップシステム。将来への道筋を定め、見える化することが、入職者の期待感につながってくれることを願う。(群馬・OS)


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