コラム

2017/09/05

ドラクエと現代社会(茨城・KS)

ドラクエと現代社会


▼ことしの夏は世界旅行を満喫した。エジプト、イタリア、オランダ、ギリシャ、タイ…。馬や船に乗ってあらゆる絶景を堪能できた。といってもゲームの話である


▼国民的コンピューターゲームソフト、「ドラゴンクエスト」の11作目が7月29日に発売され、わずか2日間で約208万本、10日間で300万本を販売した。景気が回復したといえど、無料のスマートフォン用ゲームが溢れ、テレビの前で遊ぶ据え置き型ゲーム機が衰退している中、驚異的な記録だ


▼ドラゴンクエストは、勇者が世界征服をもくろむ魔王を倒すために冒険の旅に出る物語。分かりやすい勧善懲悪なストーリーは心地よく、飽きが来ない。1986年発売の1作目から最新作まで全て、脚本は堀井雄二氏、キャラクターデザインは「ドラゴンボール」でおなじみの鳥山明氏、音楽は2000曲以上のCMソングを手掛ける、すぎやまこういち氏が担当


▼最新作では、魔王に取りつかれた強大国の国王が「勇者は悪魔の子である」とデマを吹聴して世界を欺く。偏向報道が問題視されている日本のマスコミと重なって見えた。また、沖縄をイメージした村が登場するが、近海では巨大なイカの魔物が連日のように漁船を脅かしている。これも現実の世界に似ていると感じた


▼90年発売の4作目では、海底トンネル整備の資金集めに奔走するイベントがあり、子どもながらにインフラの重要性を知った。そして新作では、悪魔によって密林の谷に架かる橋が壊されるが、近くに住むきこりに復旧してもらうという話もある。さすがの勇者も橋の建設には手も足も出ないのだ。(茨城・KS)


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