コラム

2017/11/30

あの日の思いを忘れずに(群馬・OS)

あの日の思いを忘れずに


▼冬が来るたびに思い出す。2014年2月14日。群馬県はかつてない大雪に見舞われ、各地で大きな被害が出た。物流はストップし、スーパーやコンビニから食料をはじめとする多くの商品が消えた。ガレージやビニールハウスなどは雪の重みに耐えかねつぶれた


▼移動手段も断たれた。車社会の群馬県において道路が使えないことは日常生活に大きな支障がある。雪の重みで本来前を向いているはずの信号機が下を向き、近くに行かないと赤なのか青なのかが分からない。ただそれで事故が起きるかといえばそれもない。どの幹線道路も大渋滞で信号の先も車が連なっていたからだ


▼これまでは雪が降ってもさほど困ることはなかった。雪が降る予報が出れば建設業者が前日の晩から待機し、降ったそばから除雪してくれた。ところがこの日は除雪が追いつかないほどの記録的な大雪。ノロノロ運転どころか、車が動く気配すらない。結局普段15分もあれば着く会社までの道のりに2時間ほど掛かった


▼大雪を教訓に除雪体制の見直しや重機の補充が各地で行われた。ただ肝心の作業員や重機オペレーターは高齢化などにより不足してきている。除雪機械も老朽化が進み維持管理費がかさむ。出動機会は冬だけだが人も重機も通年で確保しなければならず、経費は年間でかかる。現在の除雪費で体制を維持するのは厳しいのではないだろうか


▼除雪費の見直しは必要。だが最低限の事業量はもっと必要だ。皆公共事業で食べているから地元に奉仕するという側面はあるはず。当たり前と思われている除雪作業も安定的な公共事業の上に成り立っている。(群馬・OS)


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