コラム

2017/11/25

就職活動から求人活動に(新潟・HT)

就職活動から求人活動に


▼昨年開かれた大規模な就職説明会で、新潟県に本社を置く総合建設業の社長が、会場を一望できる位置から開始と同時に学生たちが目当ての企業に駆け出す様子を眺めていたそうだ。真新しいリクルートスーツを着た学生たちが、脇目をふらずに駆けつける第一希望の職種はどこか?学生の流れを観察していたのだという


▼自社もブースを構えていた社長に求人と観察の結果を聞いたところ、少し寂しげな表情で「聞くまでもないでしょう」との答えが返ってきた。学生で溢れる企業がある中で、建設業はというと、人はいるものの満員御礼には程遠かったのを覚えている


▼厚生労働省が発表した2018年度高校卒業予定者の有効求人倍率は7年連続で上昇し2・08倍となった。有効求人倍率が2倍を超えるのは1993年度卒業者以来、25年ぶりの高水準である。有効求人倍率2倍は、1人の求職者に対し2人分の募集がある計算だ。全産業の求職者数は約18万人で前年同月比2・6%減少。一方で求人数は約37万5000人で同比15・7%増加した。仕事を求める人は減少したが、人材を求める企業は増加している


▼人手不足は建設業に限った話ではなく、人材の確保は全産業に共通した課題だ。建設業の求人数は5万2175人で全産業の増減率を上回る20・0%増と、より売り手市場の傾向が強い


▼建設業でも現場見学会や出前授業など、さまざまな求人活動に取り組んでいる。人材確保は、仕事を探す学生と同じくらい企業側も他産業に負けないよう必死に取り組んでいる。いずれその成果が実り、学生たちの流れが変わることを期待したい。(新潟・HT)


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