コラム

2017/12/21

働き方改革が目指すもの(山梨・MK)

働き方改革が目指すもの


▼担い手の確保や育成が課題の建設業。では、他の産業はどうなのか聞いてみようと、弊紙山梨版では山梨県を代表する企業のトップに取材を重ねている


▼県内で売り上げを伸ばしている酒販店。社長によると酒販業界も市場が小さくなり、量販店などとの競争が激しい。「だから従業員の頑張りが業績に直結する。人材育成が重要」と、資格取得を促し、表彰制度の導入や活発な委員会活動などで「社員のモチベーションアップ」に力を注ぐ


▼委員会活動は、地域に根を張る運送会社も力を入れている。「始めた当初は、通常の仕事で忙しいのにまだ仕事をさせるのかと大反対された」と社長は笑うが、「委員会は自主性を鍛えるのに一番良い。新たな発想も生まれる」と重視。また、社長の話ではアメリカの運送業界も人材不足で、対策として奨学金の提供などを行っており「わが社も社員が長く働ける環境づくりを心掛けている」と話す


▼レジャー施設会社の社長は、敷地内に保育所を整備した。女性従業員が多く、パートタイムなど「女性のさまざまな働き方に対応したい」と工夫を凝らす。女性の意見としては取材した老舗旅館の女将(おかみ)さんは、旅館の工事現場を見て板前に近い世界を感じたという。「現場監督(料理長)が絶対的な存在」と。その一方で昔は板前も技術を見て覚えたが、最近はきちんと作業手順を指導しているという。「ですから、若い方には根気よく教えていくことが大切だと思います」と指摘した


▼働く人のやる気を高める仕組みづくり、働きやすい環境の整備、丁寧な指導。これらは、建設業の働き方改革と根本は同じだと思う。(山梨・MK)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら