コラム

2018/01/24

ピンチは突然訪れる(山梨・OS)

ピンチは突然訪れる


▼車の運転中トイレに行きたくなった。やばい大物だ。いや応なしにお尻をノックしてくる。下腹に力を込め必死にあらがうもまだ家までは遠い。赤信号が見えようものなら、本気で信号無視しようかと考えてしまう。ノックは強くなる一方。全力で決壊を食い止めてはいるが、その時は確実に迫っている


▼「やった」。コンビニエンスストアを見てこんなにうれしかったのは、子どものころ近所に初めてコンビニができたとき以来か。急いで店内に入りトイレへと走る。だがようやく楽になれると思いきや苦難は続く。一つしかない個室は使用中。もう我慢は限界だ。仕方なくドアをノックする。返事はない。今度は少し強めにドンドンとノックするも返事はない。もうだめだと思ったその時、個室のドアが開いた


▼入っていたのはまだ10代かという女性。片手にバッグ、片手にポーチを持っている。出るなりキッとこちらをにらむ。「急かすな」。目がそう言っていた。一瞬ひるむも、そんなことに構ってはいられない。個室に飛び込み事なきを得た


▼個室を出ると女性は洗面所を占拠していた。傍らには化粧品類が並ぶ。気まずい空気のなか手を洗わずに出ようかとも考える。すると女性は不満そうにため息をつき、そそくさと出て行った


▼ため息をつきたいのはこちらも一緒。大便器が1つしかないこともだが、男女でトイレを共用する不便さを感じた。女性を呼び込もうと建設業がトイレの改善に取り組むのもうなずける。用を足すにも男性がいては落ち着かないだろうし、それは男性も同じだ。トイレは誰にとってもホッとできる場所であってほしい。(山梨・OS)


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