コラム

2018/02/03

華やかさは譲るとしても(茨城・HS)

華やかさは譲るとしても


▼BS放送のテレビ番組で、世界のマジシャンが観客の前でマジックを披露するものがある。暇つぶしの気まぐれで、たまたま合わせたチャンネルだった。初めは「ただの手品番組か」とダラダラ見ていたが、すぐに釘付けになり、今では毎週録画するようになった


▼カードやコインといった小物を使うクロースアップマジックから人体浮遊や脱出系といった大掛かりなステージマジックまで、たくさんのマジシャンが多種多様なイリュージョンを披露する。これぞまさにエンターテインメント、という番組だ


▼魅せ方はマジシャンによってさまざま。純粋に超絶技術を見せる、小粋な冗談を交える、観客に協力してもらう、などなど。個人的なお気に入りは、失敗を続けているように見せかけて、最終的には最初に言っていた内容よりもすごいマジックを披露するマジシャン。笑わせるだけ笑わせておいて、最後の最後に、あっと驚く技を見せてくれる


▼彼らは言わば、現代の魔法使い。常識では考えられないことを平然とやってのけ、自分の世界に引きずり込む。彼らに共通しているのは、観客を楽しませたいという気持ちだろう。もちろんマジック中は観客との真剣勝負。しかし、終わった後は必ず笑顔になる。これぞプロ、と膝をたたきたくなるほどの爽快感を与えてくれる


▼実直さが第一の建設業と、彼らマジシャンは対極にあるのかもしれない。だが、表現の方法が違うだけで、誰かを喜ばせたいという思いは同じはず。建設業は国民全員のための仕事。華やかさは他に譲るとしても、喜ぶ人の多さでは比類ない存在だということを忘れずにいたい。(茨城・HS)


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