コラム

2018/04/19

働き方?働かせ方?(前橋・AO)

働き方?働かせ方?


▼週休2日制などのキーワードを中心に働き方改革の風が吹いている。日本という国を挙げての取り組みと言っていいだろう。しかし本当に改革するのであれば、働く人にとって自分の〝働き方を改革しましょう〟ではなく、企業などの〝働かせ方を改革しましょう〟も必要ではないか


▼全ての産業において共通の課題だが、特に建設業にとって喫緊(きっきん)の課題となっているのが人材の確保。若者の入職が少ない、入職してもすぐに辞めてしまう。こういった傾向があり、企業としては存続の危機と言えよう


▼その原因の一つとされた社会保険未加入問題。社会人スタートで社会保険がないという企業に、就職したいと願う学生はいないだろう。従業員を社会保険に加入させなければ、企業としての資質が問われる。さまざまな取り組みで未加入問題は解決の方向に向かった。次は週休2日などの取り組みだ


▼学生や高校生にとって週休2日とは、土日休みをイメージしがち。4週8休が完遂できていない建設業者にとって、日程的制約のかかる土日休みはハードルがかなり高い。先日の土曜日、ある建設業者の社長と、近所のコンビニエンスストアでたまたま出会った。作業着姿だった。土曜も仕事?週休2日じゃないの?と聞いてみた。社長は週休2日なんて無理だと嘆いていた。工期の問題、お金の問題…課題になる事項はいくらでも出てくる


▼働く人個人の考え方というよりも、企業、社会などの考え方を改革することが先ではないだろうか。辞める人、残る人。残る人の負担は増えるばかり。身も心もすり減らしていく。そこに明るい未来があるのだろうか。(前橋・AO)


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