コラム

2018/04/24

洋式化はこれから(新潟・SS)

洋式化はこれから


▼満を持して入ったトイレが、久しぶりの和式で少し緊張。和式トイレが主流の時代を経験した世代だが、楽な姿勢で用が足せ、温水洗浄便座に慣れてしまった今では和式トイレが苦手に。洋式トイレが当たり前の小学生の息子に学校ではどうしているか聞くと、「和式もあるけど、使ったことがない」とのこと


▼和式と洋式の出荷数が逆転したのが1977年。以後、急速に洋式化が進み、和式トイレは2015年にJIS工業規格から除外、出荷数も全体の1%を下回っている。にもかかわらず駅や百貨店など多くの人が使うトイレでは、複数あるトイレのうち1個くらいはしぶとく和式トイレが残っていたりする


▼文部科学省が16年に行った公立小中学校のトイレ状況調査によると、洋式トイレ化率は全国平均で43・3%と半数に満たない。最も進む神奈川県で58・4%、最も進んでいない山口県では26・7%となっている。災害時に避難所にもなりユニバーサルデザインを積極的に導入する学校施設において和式トイレがいまだ多く残るのは不思議


▼洋式トイレの場合「人が使った便座が嫌」と感じることも。しかし学校の和式トイレなど便器と床を水で一緒に洗い流す湿式の場合、乾式の洋式トイレとは比べものにならないほどの大腸菌が検出されるという。感覚的な清潔感と科学的な衛生度は大きく異なる


▼公立小中学校でのトイレ洋式化が進んでいないのは、これまで緊急度が高い耐震化が優先となり、トイレの改修まで予算が回らなかったのが実情。多くの市町村で耐震化が完了した今、洋式トイレが「うーん」と増えるのはこれからだろう。(新潟・SS)


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