コラム

2018/04/27

何ごとも良い塩梅で(埼玉・YM)

何ごとも良い塩梅で


▼塩は紀元前から人類の文化・歴史とともにある。日本では縄文時代から使用されていたことが確認されている。古今東西、食生活に欠かせない調味料として、あらゆる地域で重宝されてきた


▼塩分摂取は健康を保つ上である程度必要だ。しかし過剰摂取は体に負担をかけ病のもとになる。厚生労働省は1日の摂取量目標値として男性8g、女性7gを掲げている。さらに高血圧の人には6g未満が推奨している。ラーメン好きとしては、醤油・味噌ともに1杯で約10gの塩分が含まれていることを踏まえると難しい課題だ


▼塩分制限した食事は、確かに普段の味付けと比べると味気ないし、食べられる料理や量・質なども限られてくる。しかしマイナス面ばかりではない。慣れてくると食材本来の味を楽しめる上に、過剰な味付けに慣れていたことに気が付く。良い塩梅が、良い方向を示してくれるのかもしれない


▼故老諸談によると、徳川家康は側室の英勝院に「この世で一番おいしいものは何か」と尋ねた。「それは塩でございます。なぜなら、食べ物の味を調えるからです」と返答があった。さらに家康が「では一番まずいものは何か」と質問すると「それも塩でございます。どんなにおいしいものでも塩が勝てば食べられません」と答えたという


▼塩に限らず程良い加減が肝要になる。全速力でマラソンを走り切れる人がいないように、常に全力で物事に打ち込める人はいない。全力を注ぐタイミングを学ぶことが大切だろう。休むことは、遠回りのようで近道であることに気付くことが、夢や目標のゴールテープを切る最善の道になるに違いない。(埼玉・YM)


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