コラム

2018/05/08

花粉症のつぶやき(群馬・TH)

花粉症のつぶやき


▼くしゃみや鼻水、目のかゆみ。春を迎えるたびに飛散する花粉を警戒する人は少なくない。スギやヒノキの花粉が猛威を振るう時期はどこもかしこも症状に苦しむ人で溢れている。各地でマスクとティッシュの消費量が跳ね上がっている


▼シーズンが到来するとお決まりの症状に苦しむ。その日の飛散量や体調によって左右されるが、鼻が苦しいのは常で最悪の場合は目が痛くなる。春の陽気が心地良く、車の窓を全開にして運転したいが、くしゃみを誘発するので躊躇(ちゅうちょ)してしまう


▼アレルギー症状が酷い者にとって、深い緑から赤茶に変色していく針葉樹林が憎くてたまらない。ただ、森林は憎いだけではなく大切な役割をいくつも担っている。生物の多様性保全や、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の吸収、土砂災害防止、水源涵養(かんよう)など数え出すときりがない


▼行政もそのことを強く認識し、森林環境税の導入に向けて動いている。国の森林環境税の導入時期は2024年度ごろになる見通し。全国31の道県議会から早期導入を求める意見書が提出されるなど、地方も前向きな姿勢だ。また、これとは別に群馬県では緑の県民税として年間700円が課税されている


▼日本の人工林1029万haのうち、半分が11齢級(51~55年生)以上の「主伐期」を迎える。にも関わらず、林価の低迷や担い手不足から十分に整備が行き届いていないのが現状。最近では所有者不明の民有林も増えており、行政の介入が必要不可欠のようだ。先にも述べたように、森林には多くの役割があり、資産でもある。ただし、どうしてもこの時期の森林だけは憎く思ってしまう。(群馬・TH)


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