コラム

2018/08/30

子どもから選ばれる仕事(東京・KK)

子どもから選ばれる仕事


▼「建設現場で働く人が減っていると聞いたのですが、国としてどのような対策をしていますか」。8月上旬に開かれた「こども霞が関見学デー」のイベントで小学6年生の児童が石井啓一国土交通大臣に直球の質問をぶつけた。大臣が思わず「渋い質問だね」と返すほど意外な質問だったが、小学生でも建設業界が抱える問題を知っている証拠でもある


▼なぜ、このような質問をしたのかは不明だが、少なくとも建設業の過剰供給構造解消が求められていた時代には考えられなかった。忖度(そんたく)なしに気になることを聞く子どもの疑問は時代の映し鏡ともいえる


▼質問に対して石井大臣は、ベテランの職人が辞めても仕事と自分の生活を楽しめるようにならないと若い人が業界に入ってきてくれないため、休みを取れるようにすること、女性が働きやすい環境の整備にも努力していることを分かりやすく伝えた


▼建設業の担い手確保対策に特効薬は無く、今後も関係者があらゆる方策に取り組んでいく必要がある。ただ小学生からは心配されるのではなく、夢と憧れを持って将来働きたいと思われる業界であってほしい


▼こども霞が関見学デーは中央の各省庁が競い合って魅力的なイベントを考え、集客に努めている。国交省内でも来場者を楽しませるために各局各課が趣向を凝らす。子どもは正直で、人気のあるブースには行列ができるが、興味を引かなければ見向きもされないという残酷な現実が突き付けられる。幸いにも大人気の飛行機や自動車に負けず劣らず、くぎ打ちや鉋(かんな)掛けといった大工のお仕事体験も盛況だった。建設業の仕事は魅力にあふれている。(東京・KK)


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