コラム

2018/12/18

情報を伝える大切さ(群馬・AO)

情報を伝える大切さ


▼11月に台湾で統一地方選挙と同時に行われた住民投票の中に、福島など5県の食品禁輸に関する賛否を問う案件があった。結果は規制を続けるというもので、輸入は2年間禁じられるようだ。日本では大きく取り扱われなかったニュースだが、福島第一原発事故の爪痕が今も残っていることを感じさせた


▼農林水産省によると、原発事故後に食品など輸入規制を行ったのは54の国と地域。現在は、一部都県を対象に輸入停止8、検査証明書を求めているのが16、自国での検査強化1となり、何らかの規制をしているのは25の国と地域まで減ってきている


▼農水省は消費者庁、内閣府、厚生労働省とともに食品に関するリスクコミュニケーション~食品中の放射性物質をめぐる震災からの歩み~と題した意見交換会を東京、静岡、大阪、沖縄で開催した


▼食品中の放射性物質は基準値を設けて、出荷制限などを行ってきた。震災から7年以上が経過する中、低減対策などから基準値を超える食品はほとんど検出されていないのだという。しかし、震災直後に比べ消費者側は、報道などを通じた情報入手の機会が減り、現状を知らずに不安を抱えている人も。そこで行政、生産者、消費者が意見交換を行い、これまでの取り組みや現状を発信し、今後の消費行動を考えようと企画された


▼消費者が安全な食品を選ぶのは当然、それは万国共通だろう。それを判断する消費者へ正確、的確、多様な情報を伝えるのは報道機関の役目。また納税者と行政との関係などでも同じことが言える。判断を行う者へ正確な情報を伝えること。報道に携わる者として肝に銘じたい。(群馬・AO)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら