コラム

2018/12/21

建設業の女性社長(茨城・MK)

建設業の女性社長


▼全国に建設業は約56万社と言われるが、そのうち社長が女性なのは約5%の約2万800社という。東京商工リサーチが昨年のデータから算出した


▼建設業の女性社長の体験談を読んだことがある。社長だった夫の突然の死去により周囲から推される形で社長になった。経理には携わっていたが、営業活動や現場には慣れていない。夢中で日々の仕事を進めていく。そんな中でも家族や職人に細やかに気を配る。1年、2年、3年と経つうちに何とか先が見えるようになり、若い職人から「おふくろ」と慕われることが喜びとやりがいになっているとのことだった


▼知り合いの女性社長は、女性社長であることを気にしていないという。「自分ができることをしているだけ」と自然体。男性社長のようには振る舞えないが、細やかな配慮など女性らしさが感じられると周囲は話す。大変なことも多いが、同じ業界や他業界の女性社長同士で励まし合っている


▼東京商工リサーチの調査で女性人口10万人当たり何人が女性社長かを示す「女性社長率」の最高は沖縄県の20・7%だった。逆に最も低いのは新潟県の8・5%、次いで山形県8・6%など。これらの地域は、総務省による就業構造基本調査で女性の「正社員」の割合が全国平均より高い傾向にある。雇用が安定していることが起業にも影響しているのかもしれないと同社は分析する


▼さらに同社では、女性社長は従来の男性には無い感性で商品開発や市場開拓などを促すと指摘する。女性の社会進出の壁といわれる育児や介護などでの支援、そして男女問わずの意識改革が女性社長の増加につながるだろう。(茨城・MK)


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