コラム

2018/12/26

新聞のハブ機能(埼玉・YM)

ハブを有する新聞に


▼弊社埼玉版に「横顔」という県庁を中心とした自治体職員を紹介するコーナーがある。何十年と続く名物企画としてさまざまな人に登場していただいている。近年では県庁だけでなく市町村にまで裾野を広げるようになった。最近登場いただいた市の職員に、その後の話を聞くと「県庁の知り合いから『載っていたね』と連絡が来てうれしかった」と話してくれた


▼横顔に限らず紙面上では協会団体をはじめ、さまざまな人が紙面をにぎやかにしてくれている。以前取材中に「忙しくて普段連絡が取れない知り合いが紙面に掲載されていて、連絡を取るきっかけになった」と聞いたことがある。新聞は少なからず人と人とをつなぐ架け橋としても役立っているようだ


▼建設新聞なので1面、2面、入札面はどうしても工事に関する記事がメインとなるが、「人」の登場も紙面に欠かせない要素だと常々思う。発注者、受注者という一元的な見方だけでなく、多面的に人物の「横顔」を見ることで、新たに見えてくるものがあるはずだ


▼工事だけにとどまらず、人物や企業などのさまざまな情報を収集・集積することで、点でしかなかった個々の情報が線となる。線は面となり、面は立体化する。新聞社は事実を単に報道するのも重要だが、集積した情報から得られる独自の視点・考察を載せるのも重要だ


▼新聞が持つ価値に情報の収集と集積、いわゆるハブ機能が挙げられる。インターネットの普及によって新聞離れが懸念されて10年以上が経つが、ハブを有する新聞は揺らぎにくい。これからもハブを有する建設新聞であり続けるため、記者は今日も各地で取材に励む。(埼玉・YM)


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