コラム

2019/03/05

ゲームにはない醍醐味(茨城・KN)

ゲームにはない醍醐味


▼1983年に刊行された漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の第28巻に収録されている回にこんなエピソードがある。主人公の両さんがアーケードゲームの筐体を派出所に持ち込んでゲームに打ち込み「TVゲームのプロになる」と豪語し同僚が呆れる、というもの


▼当時はギャグだったこのやりとりが現実になっている。コンピューターゲームでの対戦をスポーツとして捉える「eスポーツ」が人気を博しており、ことし開催の茨城国体で文化プログラムに組み込まれた。プロゲーマーという職業も登場した


▼アラフォー世代にとってテレビゲームと言えば代名詞の「ファミコン」抜きには語れない。爆発的な人気を獲得し、子どもの新しい娯楽となった。今の若者にとってゲームはさらに身近な存在で、生まれた時から存在するコンテンツ。友人宅を訪れた時、幼稚園にも入学していない子がタブレットを自分で操作してゲームしているさまを見て驚いたものだ


▼先日、ICT施工の現場を取材した際に聞いた話。高校生を対象にした現場見学会では、ICT建機へ関心はかなり高いとのこと。彼らが魅(ひ)かれるポイントは、まず自動で操作できる重機。ゲームに慣れた世代にとって「やってみたい」と興味を持つきっかけになる。そしてもう1つは、現実に目の前で工事が進んでいくダイナミックな様子


▼バーチャルではない、現実世界でのものづくりの現場。これがゲームに慣れた世代であるからこそ刺激的に映るようだ。ゲームのように身近で、ゲームでは味わえない醍醐味がある。これをPRすることが、担い手不足解消の鍵となる気がする。(茨城・KN)


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