コラム

2019/07/02

いつ分かってもらえるか(群馬・KO)

いつ分かってもらえるか


▼悲惨な交通事故が相次いでいる。東京池袋で87歳の高齢者が運転する車が暴走し親子が死亡した事故や、大津市で園児の列に女性が運転する車が突っ込み2人の幼い命が奪われてしまったことなど。そのたびに話題に挙がるのが高齢者の事故率の高さ。免許返納を呼び掛ける報道も多く、大型連休後には高齢者を中心に通常の2倍以上の免許返納があった


▼しかしこの世の中の動きに逆行しているのが祖父と祖母である。幸いなことに父方、母方ともに至って健康で全員が自分の車を所有し日々運転している。友人たちと高速道路を利用して県外まで旅行に行くことも少なくない


▼だが年を取って衰えているのは確かだろう。以前よりも大きな声で話さなくては聞こえなかったりするだけでなく、同じ話を繰り返したりするいわゆる老化現象が最近になり顕著に現れている。何気ない話の流れで免許返納の話をするのだが、なかなか受け入れてくれない。それどころか交通事故の話題を出すと「高齢者ばかりが交通事故を起こしているような報道が多い」と報道に対して怒りをぶつけている


▼皆、誰しも自分が劣っているようなことを指摘されれば嫌な気持ちになるのは当然だ。ましてや免許を返納してしまったら自分が昔から運転していた車との別れや息子世代にはまだ頼りたくないなどのさまざまな気持ちが湧き出てくるのだろう


▼だが自分は大丈夫だと過信し衰えを感じながらも運転を続け、他人の命を奪うようなことはしてほしくはない。相手のプライドを尊重しながら説得するのは難しいことだが、根気強く説得していきたいと思う。(群馬・KO)


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