コラム

2019/09/20

電撃復帰したF1王者(山梨・SA)

電撃復帰したF1王者


▼元F1王者のミカ・ハッキネンが8月25日に三重県の鈴鹿サーキットで行われた10時間耐久レースに電撃復帰した。彼は7度のF1王者を獲得したミハエル・シューマッハに最大のライバルと呼ばれた男だったが、2007年シーズンを最後にレーシングドライバーを引退。昨年9月に50歳を過ぎ、日本では過去の人になっていた


▼ハッキネンは1991年にロータスからF1デビュー。エンジンは非力で資金力もない弱小チームだったが、天性のドライビングテクニックと情熱ある走りで上位チームと闘った。コツコツと入賞を重ねドライバーズポイントを積み上げチームに貢献。以降、名門のマクラーレンに移籍して2度の世界王者に輝いた


▼当時は空前のF1ブーム。アイルトン・セナやナイジェル・マンセルのほか中嶋悟などの日本人ドライバーも参戦、地上波のテレビでレースが放送されていた時代。マシンには日本企業のスポンサーが彩られていた。かつてはハッキネンのファンでロータスのマシンが強豪チームを相手に闘う姿を見て歓喜したことを思い出す


▼今のF1ではホンダがレッドブルレーシングにエンジンを供給し活躍を見せるものの、中国や中東系のスポンサーが目立つのは過去の盛り上がりを知っている者としては少し寂しい。日本人ドライバーの挑戦も再び見たいところだ


▼前述したハッキネンの話。耐久レースの結果は下位での完走となったが、かつてと同じようにクリーンかつアグレッシブな走りで観客を魅了した。時を経ても好きなことならば年齢を問わず、いつでも挑戦できるということを彼から教わった気がする。(山梨・SA)


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