コラム

2019/10/31

勉強するのは何のため(群馬・YT)

勉強するのは何のため


▼秋も深まり、中学生・高校生にとっては受験勉強が本格化する。この季節が訪れるたびに塾講師をしていたころに生徒の一人に言われた「なぜ勉強しなければいけないのか」という言葉を思い出す。自分の可能性を広げるため、将来のためとその場で答えたが、求めていたのはそうした概念的なものではないようす。今、自分が勉強している古文で、動詞の活用形が大人になってどう役立つのかという率直な質問だったようだ。勉強が思うように進まないことへのストレスから思わず口から出てしまったとのこと


▼10年以上経過した今でも古文の活用形を知っていたから人生のピンチを切り抜けられた、というような具体的な事柄があったことは残念ながらない。強いて挙げるなら仕事の雑談で古典を知識として知っていたことで話が盛り上がったことくらいだろうか


▼どんな職業でも人とのつながりは大切。そのきっかけになったと思えば、当時苦労して勉強したかいがあったというもの。古文の活用形に限らず、学生時代の勉強がどう役に立つかではなく、どう役立てるかを考えるのが重要ということだろう


▼古今東西、多くの偉人たちが勉強することの意味をさまざまな言葉で伝えようとしてきた。いずれも金言だが、万人が納得できる答えがないからこそ、ここまで多くの言葉が出てきたようにも思える


▼勉強の意味に対する答えは人の数だけあるのかもしれない。仕事だけでなく趣味においても勉強しなければと思う場面は多い。この質問をしてくれた生徒も今では社会に出て活躍している年齢。勉強することの意味について答えは出せただろうか。(群馬・YT)


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