コラム

2019/10/18

お金儲(もう)けと地域貢献(埼玉・MK)

お金儲(もう)けと地域貢献


▼社用車のエンジンをかけると、ナビが喋る。「今日は、コンビニATMの日です」。一般社団法人日本記念日協会によると、当コラムを書いている10月8日は「コンビニATMの日」らしい。他にも「ドローンパイロットの日」や「焼きおにぎりの日」などを兼ねている。個性豊かな記念日に感心しつつ、面白さを感じる


▼気になって自分の誕生日、1月12日を調べてみると「VSOP運動の日」と出てきた。VSOP運動は企業や商店、団体が本業を通じて地域へ社会貢献を行う運動を指している。今後は社会性と経済性を両立する団体運営が求められる。まちづくりにおいて地元企業などが果たす役割を、より自覚しなくてはならないという意味か


▼地方に大型ショッピングセンターが出店する場合、大半のテナントは首都圏に本社を置くチェーン店だ。地元の雇用創出につながる点で歓迎される一方、デメリットもある。チェーン店で使ったお金は地元に還元されにくいので、地方にお金が残りにくいないのだ。チェーン店ばかりが儲かり、地方にお金が落ちにくい仕組みとなっている


▼VSOP運動がお金儲けと地域貢献の両立を目指すということだとすれば、矛盾を抱えた考えにも見える


▼以前読んだ『稼ぐまちが地方を変える誰も言わなかった10の鉄則』という本を思い出した。著者は「まちづくりは地元企業を中心に進めるべきだ」と主張する。いくつかの事例も挙げている。地方の空き家・空き商店を改装し、地元企業や個人事業主が出店する。そこで使ったお金は地元に残り、循環するのだ。VSOP運動のヒントが見えた気がする。(埼玉・MK)


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