コラム

2019/11/07

デジタルデータで残すもの(東京・KK)

デジタルデータで残すもの


▼会社から支給されているノートパソコンを5年ぶりに買い替えた。日々満員電車に揺られながら周囲の圧力にも負けず、かばんの中で必死に耐え続けた結果、大きな故障は起きなかった。それでも文字が2回連続で入力されたり、パソコン本体が熱くなるといった「勤続疲労」は確実に進んでいた。これまでの活躍に感謝しつつ、現場の第一線からは退いてもらうことにした


▼思えば1年前に自宅のパソコンを買い替えた。こちらは完全に画面が固まって動かなくなってしまったことが原因。急ぎ駆け込んだ修理店で「ハードディスクの寿命ですね」と言われて修理を諦めた。中にあったデータを無事に取り出すことができたのは不幸中の幸いだった


▼パソコンを長く使えば使うほど多くのデータが蓄積されていく。書いたことを忘れていた昔の原稿を見つけると、懐かしさはあるものの大半は読み返すのが恥ずかしい内容ばかり。デジタルカメラで撮影した写真も然り。過去の自分の仕事に向き合うことは面白い半面、怖いことでもある


▼「第四次産業革命が急速に進む時代において、新たな付加価値の源泉はデジタルデータです」。現在開会中の臨時国会の所信表明演説で安倍晋三首相が強調した言葉だ。インターネットを通じて、あらゆる機器が結び付く時代。便利になる一方で、デジタルデータの保存や取り扱いには細心の注意が求められる


▼不要なデータを捨て、必要なデータを残す作業は意外と難しい。写真や紙と違って後世も色あせることがないデジタルデータは思わぬ付加価値を生む可能性がある。しばらくは取捨選択に頭を悩ませる日々が続きそうだ。(東京・KK)


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