コラム

2019/11/16

受発注者共同で働き方改革(埼玉・SW)

受発注者共同で働き方改革


▼関東地方7県の建設業協会の若手経営者で構成する関東建設青年会議が、働き方改革に関する意識調査を実施した。建設業界における働き方関連法の施行には5年間の猶予期間があるが、早めの対応が必須。しかし現状では経営者、技術者、技能者ごとに見解は異なる


▼経営者に対して技術者の残業時間が増える要因を尋ねると、46・1%が「書類作成」を挙げ「無理な工期設定」(27・8%)が続いた。残業時間を減らすためには、現場管理の軽減や最適工期の設定、作業の効率化が求められるとした


▼技術者に書類作成について聞くと、76・3%が「もっと簡素化できると思う」と回答。中でも簡素化してほしいのは「完成書類」(50・3%)で「設計変更に伴う書類」(26・5%)を大きく引き離した


▼技能者では「残業時間はほとんどない」と「40時間程度」(いずれも土曜日の出勤を含む)が93・3%で、比較的残業は少ないようす。ただ給与体系が月給制は66・4%で、日給制の場合は休日が増えることが収入減に直結するだけに、一概に休日増加は喜べない


▼3者とも、働き方改革に関しては制度をおおむね理解している。ただし、実現にはさまざまな課題があることも認識されている。技能者の日給制から月給制への移行は、費用負担の面から現状の体系では容易ではない。書類作成や現場管理の負担軽減、無理な工期設定などの課題は受注者だけで解決は難しい。積算基準や歩掛(ぶがかり)の見直し、書類の簡素化など、いずれも発注者における対応が肝になろう。働き方改革の浸透には受注者任せにせず、発注者との相互理解や協力が求められる。(埼玉・SW)


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