コラム

2020/03/07

土木業界のイメージは(埼玉・YF)

土木業界のイメージは


▼昨年末、建設業者とホストクラブとの抗争を描いたテレビドラマが放送されていた。あらすじだけ聞くと何が何だか分からないかもしれない。1話だけ見たが、どうやら男性アイドルが多数出演する女性向けの番組らしい


▼全話を見る気は起きなかったが、何を意図してこのような設定にしたのかが興味深い。装飾に満ちたホストの世界と対比させ、汗水垂らして建設現場で働く主人公の実直さを表現したかったのだろうか。荒唐無稽だが「虚」と「実」を対比させたうまい舞台設定だと感じた


▼言うまでもなく、建設業は社会基盤という「実」をつくる重要な仕事。社会的意義も大いにある。しかし就職活動をする若年層にとって、時代の機運に乗った注目の業界とは言いがたい。「3K」をはじめとした旧来のイメージは根深い。昨今課題に挙がる、担い手不足はそれを如実に表している


▼もう少し下の世代に目を向けてみるとどうだろうか。今の小中学生の耳目を集めるのは「Youtuber」や「eスポーツ選手」などの新世代といった人々。ものづくりの「実」とは対極に位置する


▼土木の道に進んだ学生や若手社会人に志望理由を聞くと、東日本大震災を挙げる人が多い。被災地の荒廃した状況は人を動かすインパクトがあるのだろう。だが、あくまでも受動的な喚起にすぎない。平時でも土木を志向させる働き掛けが大切だ。「i-Construction」「けんせつ小町」など、先進的なキーワードによる話題づくりは功を奏している。ならば今度はものづくりという「実」に立ち返ったアピールが必要なのではないか。(埼玉・YF)


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