コラム

2020/03/18

ガンダムとはいかないが(山梨・OS)

ガンダムとはいかないが


▼人気アニメ機動戦士ガンダムに、壊れた基地の修復をガンダムが手伝うシーンがある。ガンダムはモビルスーツと呼ばれる戦闘用ロボット。敵の戦艦やロボットをなぎ倒す圧倒的な力を持つが、それを戦い以外にも活用していた


▼ガンダムが補修用の部品をせっせと運ぶ。子どものころは特に気に留めず見ていたが、今思えばちょっと可笑(おか)しい。もしガンダムが建設業に導入されたらどうだろう。無駄に能力が高すぎる気もするが、大きな戦力になるのは間違いない。大きな橋もヒョイと架設できるし、土砂崩れも大きな手で、ひとかき、ふたかき。その作業を見るだけでも楽しいが、大人も子どももきっと乗ってみたいと思うだろう


▼山梨県内で、ICT施工に取り組む企業の一つに南アルプス市の湯澤工業がある。昨年行われたICTの講習会で同社の湯沢信常務は、これからの建設業に人を集めるには、楽で楽しいという二つの「楽」が鍵になると訴えた


▼日夜現場作業に励む建設作業員の姿は、ときに厳しい肉体労働の代表と捉えられる。少子化によりあらゆる業界による人材の獲得合戦が激しさを増す中、選択肢の上位に入るには給料や休みに加え、肉体的な負担や仕事に興味が持てるかどうかが重要となっている


▼小中学校で行う建設業の体験学習では、ドローンをはじめとする先端技術に人気が集まる。そこにあるのは「きつい・汚い・危険」ではなく「楽しそう」。だから僕も私もやってみたい。「建設業ってなんか楽しそう」。ガンダム登場とはいかずとも、ICTがそうした新しい業界のイメージづくりを後押ししてほしい。(山梨・OS)

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