コラム

2020/05/20

沼田城の再建に期待(群馬・KO)

沼田城の再建に期待


▼群馬県沼田市にあった沼田城。最終的に復元を目的とした発掘調査を2020年度から本格的に着手する。復元に向けて、24年度までを計画期間とし、城の全体像を把握することが目標だという


▼城は天文元年(1532年)、沼田氏12代顕泰により築城。動乱の中で上杉氏、小田原北条氏と城主は変遷し、城を巡る争いは続いたという。しかし、徳川の世に代わった天和元年(1681年)5代藩主真田信利の時、改易処分(領地没収)を受けて、幕府によって城は解体され堀も埋められてしまった。その後、再建されることはなく、跡地は沼田公園として、市民の憩いの場となっている


▼地元では観光・経済関係者らが中心となり、会員100人ほどで沼田城を造る会が活動を展開している。沼田城再建に向けて、研究や研修視察などを精力的に行う。2016年にはNHK大河ドラマ「真田丸」によって全国から注目を集め、世間からの期待も寄せられている


▼19年には本丸があったと想定されている地点で発掘調査を実施、沼田城の建物に使用された瓦が多数出土したほか、盛土が3期にわたり行われていたことが判明。本丸を支えていたとされる柱穴も3本確認するなど、建物の規模等はいまだ不明ではあるものの大きな成果があった


▼沼田公園は桜の名所としても有名。公園内にはシンボルとなる御殿桜が植えられており、樹齢400年以上ともいわれている。沼田城の形見ともいわれる名木。毎年、見ごろの時期には多くの観光客や市民が訪れている。いつか天守閣から桜を眺める日が来ることを切に願っている。(群馬・KO)

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