コラム

2020/12/25

働き方改革が問われた年に(茨城・MK)

働き方改革が問われた年に


▼どんな年だったかを振り返る年末。本年は「働き方」が問われた年だったことは間違いないだろう。新型コロナウイルスの影響でテレワークが普及。建設業界では週休2日への取り組みが進んだ


▼茨城県建設業協会では働き方改革、週休2日を推進するため、県内公共工事の一斉休工日を設定し取り組んでいる。一斉休工についてのアンケート調査では、週休2日の実現に必要なこととして「余裕のある工期設定」を挙げた経営者や技術者が多かった


▼具体的には「年度末工期を少なく」「柔軟に延長を」が多数。しかし「天候等さまざまな問題があるため、完全週休2日はなかなか難しい」と現実を見据えた意見も。また「若手の職人が増えない中で工事を進めるには、ある程度の日数をかけるしかない。工事を行う人数が増えていかないのでは週休2日は難しい」と人手が必要という声も寄せられた


▼働く人の意識改革も重要になる。アンケートでは、以前から続く業界の考えを改めることが必要という意見もあった。最近の若者は完全週休2日で学校生活を送っている。そのため「若手技術者を多く入職させるために週休2日は最低限必要」という意見も


▼だが若者は、休みが増えることだけを求めているわけではないだろう。コロナ禍で職を失った知人が言っていた。「仕事がしたい」。アンケートでもこんな声があった。「この業界に入るメリットを感じる若手が少ない現状を変えるために週休2日は良いが、それ以上に興味を持ってもらえる何かが必要」。何のための働き方改革なのか、考えさせられた一年。来年は働き方の中身が問われる。(茨城・MK)


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