コラム

2021/01/23

挑戦する勇気を(茨城・TO)

挑戦する勇気を


▼今大会で99回目を迎えた高校サッカー選手権の青森山田高校(青森県)と山梨学院高校(山梨県)の決勝戦は手に汗握る熱戦だった。試合はまず山梨学院が先制し、後半に青森山田が逆転。その後同点となり、延長戦を経たPK戦では山梨学院が4―2で勝利を収め、約4000校の頂点に立った


▼どちらが勝ってもおかしくない良い試合だったと思う。サッカー経験者ならお分かりいただけると思うが、PKは蹴る方が圧倒的に有利とされていて運の要素も大きい。これまで何千、何万回と打ってきたシュートを1本のPKに託す緊張感は計り知れない


▼イタリアのセリエAで活躍し、「ファンタジスタ」と称されたロベルト・バッジョ氏の名言に「PKを外すことができるのは、蹴る勇気を持った者だけだ―」というものがある。1994年のワールドカップ・アメリカ大会の決勝ブラジル戦。PK戦で最後のキッカーとして立ったバッジョが蹴ったボールはまさかのゴールを外してしまい優勝を逃した


▼21世紀で最もPKを外した選手を見てみると、現代のサッカーをけん引するバルセロナのリオネル・メッシ選手が1位、ユベントスのクリスティアーノ・ロナウド選手が2位に。当然ながらPKが下手なのではない。蹴る回数が他の選手に比べ圧倒的に多いのだ


▼サッカーに限らず、どのような場面でも大舞台は存在する。大切なのはまず勇気を持って舞台に立つことだろう。蹴らなければ結果が出ることもない。そして勇気を持つためには、自信となる事前の準備や日々の鍛錬も欠かせない。外してもいい。まずは失敗を恐れず取り組む姿勢が大切だ。(茨城・TO)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら