コラム

2021/04/15

萌える企業に入りたい(山梨・OS)

萌える企業に入りたい


▼好きなアイドルやタレント、アニメのキャラクターなど「イチオシ」がいる社員を応援する。そんな企業がツイッターで話題だ。テレビCMの制作などを手掛ける株式会社ひろろが、慶弔休暇に「推し休制度」を取り入れた


▼その中身は推しのライブなどがある場合、休暇・早退が認められ、なおかつ遠征費も補助。推しが結婚しようものなら10日間も休みがもらえる。それの全てが有休。さらに精神的なダメージの度合いに応じて日数の加算もあるというから驚きだ。世間には法で定められた年5日の有休取得もできていない企業がある。そんな企業から見れば信じられないお話。まさにアニメの世界というところだろう


▼休ませたいのはやまやま。ただ単純に休みが増えればこなせる仕事量は減る。以前、建設業の経営者から「休みを増やせばもうけが減るどころか経営が成り立たない。繁忙期には休み返上で働いてほしいくらいだ」という声を聞いた。一方では人手不足が深刻で、若手入職者の確保は喫緊の課題だという


▼経営者の手腕の問題か。それとも意識の問題か。昭和も平成も終わり、今は令和。「昭和の働き方」を引きずっていては遅かれ早かれ企業が傾くのは自明だ。減り行く若者がたくさんの職業から何を選ぶのか。選んでもらうには、どうすればいいのか。ひろろ社のような大胆な発想もいいが、なかなか難しい


▼ポイントは社員の幸せを考えたときに企業は何ができるのか。一つの要素だけを見ても効果は薄い。まずは他の業界と同等の環境を用意し、その上でプラスの要素を増やす。さまざまな条件のバランスこそが鍵になるだろう。(山梨・OS)


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