コラム

2021/07/02

建設業界の英雄をたたえ(群馬・KO)

建設業界の英雄をたたえ


▼カンボジアで地雷の撤去に大きく貢献した、アフリカオニネズミのマガワがこのほど引退した。5年間の活動で計71個の地雷と38発の不発弾を発見。イギリスの動物愛護団体PDSAから表彰されたという立派な経歴を持つネズミだ


▼マガワはカンボジアで22万5000㎡を対象に地雷撤去を支援。長年の紛争による不発弾が残る地で、ベルギーの市民団体非政府組織APOPOが、嗅覚の鋭いネズミに地雷で使われる化学物質のにおいを検知させ、地雷の撤去に生かしてきた。人間だと最長4日かかるテニスコートほどの範囲の探知を約30分で終えることができる。このようなネズミは英雄ネズミとして評される


▼マガワが長年活躍してくれたおかげで、多くの人間が命や肉体を失うことなく、今の生活を送れている。APOPOによるとマガワは健康状態は良好なものの、活力に衰えが見えてきたために引退となったという


▼建設業も長年にわたり人々の生活を守ってきた。しかし、その担い手の不足が近年さらに深刻化している。最近では定年を65歳~70歳に延長する企業も増えている。定年を延長することで、若い技術者への技術の継承や、従業員の士気向上も見込める。さまざまな新技術が生み出される昨今であっても、長年にわたり現場で活躍してきた人からの言葉は重みがあるだろう


▼定年の延長により、引退までの期間は長くなったとしても、多くの人々の生活を守ってきた建設業界の「英雄」もいずれは引退を迎える。英雄たちが引退した後も誇れる業界としてあり続けるためにも、次代を担う世代の確保と育成が重要となる。(群馬・KO)


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