コラム

2021/10/09

交通量調査を皮切りに(新潟・SS)

交通量調査を皮切りに


▼秋晴れの平日に県道を走っていると、複数の場所で交通量調査を実施していた。椅子に座り車を計測する調査員の多くは年配の方々だった。定期的な仕事ではないため人材を集めるのは大変なのかもしれない


▼学生時代に経験した交通量調査のアルバイトでは、手動の計測器を用いて大型貨物や普通乗用車などを種類別にカウントしていく。計測は早朝から翌日の早朝までの24時間。2~3人でチームを組み2時間程度で計測と休憩をローテーションする。昼間は車の往来も多く忙しく、時間が過ぎるのも早いが、交通量も少なくなる夜の9時位から時間の流れが遅く感じ、深夜ともなれば睡魔との闘いに


▼国土交通省は、自治体と共に5年に1度、国道などを対象に実施する交通量調査について、調査員の人の手による観測を廃止する方向で検討に入っている。交通監視カメラの映像を人工知能(AI)で解析し、交通量情報に変換。将来的には交通量を常時観測できる体制を構築し、渋滞対策などにもデータを応用できるようにする


▼交通量調査では以前から動画でデータの整合性チェックを行うなどカメラの活用は行われていた。それでも、現時点で人力調査がメインなのは、国の調査マニュアルで人力実施が明記されており、業務を発注する際の積算基準も人力実施となっているから


▼交通量以外にも多数の単純作業が人から機械やAIに入れ替わると言われているが、自治体が発注する業務などは調査要領や積算基準に縛られて、自動化や機械化がなかなか進んでいないとも感じる。交通量調査を皮切りにAI化など効率化が進むことを期待する。(新潟・SS)


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