コラム

2021/10/22

理想の都市をつくる(群馬・YT)

理想の都市をつくる


▼自ら市長となって都市をつくり、運営するシミュレーションゲーム「シムシティ―」が任天堂のスーパーファミコンで発売されて以来、2021年で30年が経過した。現在も同じテーマのゲームが多く発売されており、30年前に比べてさらに細かく詳細に都市がつくれるようになっている


▼何もない、ただ広い野原に道路を整備して、住民と商業、工業を誘致して都市をつくる。ある程度発展していっても資金難や突然の災害、都市の機能を停止させてしまうほどの大渋滞など多くの障害が待っている。同じ地形でも人によって理想が違うため同じ都市になることはなく、世界中に多くのファンがいる


▼渋滞を解消するためにバイパスを新設する、川の氾濫を防ぐために堤防をつくる、市民の満足度を上げるために公園を整備する。ゲーム内で行われているのは、いずれも日々取材している内容だ。ゲーム内ではボタン一つで気軽に作れる長い道路や橋梁も、現実で形となるまでには多くの年月が必要だ


▼とあるトンネルの完成式典を取材した際のこと。そのトンネルが通る市の市長が感極まりながら完成を祝福していた。それまでトンネルの先に行くには細く曲がりくねった道を通らなければならず、その地域の長年の課題となっていたからだ


▼地域の要望や課題を吸い上げ、解決方法を探り、形にする。どんな事業であっても、多くの人の願いや期待が込められている。願いに応え、理想を形にするためには行政だけでなく、建設産業の力が欠かせない。地域の住民一人一人にとって理想の都市をつくるためには、官民の協力が必要となる。(群馬・YT)


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