インタビュー

2008/02/22

国交省甲村河川局長就任インタビュー

◎事業ダラダラやらない

◎甲村河川局長が就任会見

◎国土交通省

 「ハード面だと貴重な税金の負担によってダムや河川改修事業などを進めているが、ダラダラとや

らない。例えば河川の激特事業を見ると、期間と総事業費を定めているものの、ともすれば工期が伸

びることもままある。工期、事業費をきちんと守り、コスト縮減に努めていかなければならない」。

国土交通省の甲村謙友(こうむら・けんゆう)河川局長が21日、就任会見を開き、ハード対策事業

実施の考え方を示した。 

 局長就任にあたり「福田総理の施政方針にある自然災害の犠牲者ゼロを目指す、かなりの部分が河

川局に与えられた使命だと思う。将来的に見ると、気候間変動に関する政府間パネル第4次報告では

、温暖化は疑いのないとした。温暖化すると海水面が上がるほか、雨量の変動幅が大きくなると言わ

れている。いかにハードとソフトを合わせ、犠牲者ゼロを目指すかが課題。また初めて盛り込まれた

水害や渇水などの適応策をどうするのかという課題もある」と話す。

 災害対策について「地球温暖化になるとこれまでの計画を変えるべき、という意見もある。しかし

、今の事業が無駄になるということではない。海岸だと温暖化は急に水面が上がるのではなく、徐々

に上がっていく。施設の改築に合わせ、従来の高さより高くするなど自然現象の進行に合わせた段階

的な整備が必要になる。河川やダムだと、ひとつは今ある計画を進める。さらに温暖化により雨が激

しくなった部分をどうするのか。予算や環境問題が無い所は施設整備で対応を、問題がある部分では

調整池などで流域全体で対応することを考えていかなければ」と取組方針を述べる。

 土砂災害などの安全性に対し「自然災害では、土砂災害による死者が多い。ハード面で地すべり対

策などを進めているが、対応が追いついていない。危険か所には、できるだけ住まないイエローゾー

ンと住まないで欲しいというレッドゾーンを指定し、移転者には融資をしている。洪水でも各自治体

で作成するハザードマップの普及を図っていかなければならない」と話した。

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