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群馬県建築住宅課

耐震改修促進計画(2016-2020)案

2016/08/20 群馬建設新聞

県建築課は「耐震改修促進計画(2016-2020)」の案をまとめた。地震による建築物倒壊被害から県民の命と財産を守ることを目的に、これまでより強力に耐震化を促進する。2020年までに「住宅」と「多数の者が利用する建築物」の耐震化率を95%にする目標を掲げた。耐震化と並行して、人命被害を減らす住宅の減災化も進め、段階的な耐震化や耐震シェルター・耐震ベッドの活用を推進する。

15年10月における本県の空き家を除いた住宅総戸数は約76万2000戸、旧耐震基準住宅は約20万戸(うち約5万2000戸が耐震性あり)と推計されている。耐震化率は80・5%と見込まれている。

多数の者が利用する建築物は、14年度末時点で5709棟あり、旧耐震基準建築物は2014棟(うち1020棟が耐震性あり)。14年度末時点の耐震化率は82・6%という状況だ。このうち県有建築物の耐震化率は96・2%、市町村有建築物は89・0%、民間建築物は75・5%となっている。

国は、「住宅」と「多数の者が利用する建築物」の耐震化率を20年までに少なくとも95%にする目標を掲げている。県でも国の目標を踏まえ、これらの耐震化率を95%とする目標を設定する。多数の者が利用する建築物のうち公共建築物は100%とし、民間建築物と合わせて95%を目指す。

これまでのペースで更新が進むと仮定した場合、住宅は20年までに自然更新により耐震化率は83・0%になると推計されるという。同様に、多数の者が利用する建築物は93・3%になると見込まれる。目標達成には、自然更新による耐震化や建物除却を踏まえ、住宅では約8万5000戸、多数の者が利用する建築物では102棟の耐震化が必要になってくる。

県では目標達成に向けて、耐震化の普及啓発や支援、住宅の建て替え・除却、リフォームに合わせた耐震改修などを促進していく。一方で多額の費用負担が生じることも踏まえ、耐震化と並行して人命被害を減らす減災化を目的とした施策も講じる。家族の状況や生活環境の変化に応じて費用対効果の高い補強工事を行い、段階的に耐震化を進めるなど住む人に合った耐震改修を促進する。住宅内で最も滞在時間の長い寝室など必要最低限の空間の安全を確保するものとして、耐震シェルターや耐震ベッドを活用し、圧死を防ぎ地震被害を軽減する施策も推進する。

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