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茨城県水戸市

三の丸再開発に補助金/設計へ3億3912万円/9月議会に補正予算案

2016/08/30 日本工業経済新聞(茨城版)

 水戸市は、9月5日開会の2016年第3回市議会定例会に上程する補正予算案を明らかにした。主なものでは、水戸駅前三の丸地区市街地再開発事業に設計費の補助金として3億3912万円を盛り込んだほか、国補街路整備事業に1億220万円、泉町1丁目北地区市街地再開発事業に1億1812万円を増額した。土地開発公社の解散に向けた長期保有地の取得には14億4589万9000円を配分し、合計2万8889・18㎡を取得する。

 一般会計全体では、23億7448万5000円追加し、歳入歳出予算の総額を1156億5398万5000円とする。

 地元地権者が計画する水戸駅前三の丸地区市街地再開発事業は、10月の都市計画決定を目指しており、その後、設計作業に着手する。

 同事業は、旧リヴィン跡を中心とする三の丸1丁目地内(A約6750㎡)において、マンションやホテルなどの複合ビルを建設するもの。権利者はマンションデベロッパーの㈱フージャースコーポレーション(東京都千代田区)など10人。コンサルは㈱タカハ都市科学研究所(東京都港区)。

 延べ床面積は4万1000㎡を想定。総事業費は約120億円。敷地の東側にホテル棟、西側にマンション棟を配置。その間には歩行者通路を設け、駅北口のペデストリアンデッキと敷地北側を東西に走る市道と接続する。駐車場は敷地北側や歩行者通路の下の部分を活用する。

 マンションの保留床はフージャースへ譲渡。ホテルは4~5社が関心を示しており、都市計画決定までに意向書を取得する予定。業務床は、準備組合員で理事の三井住友海上火災保険㈱(東京都千代田区)がグループ会社を含めて2フロアを使用する。その他の非住宅床は教育文化系や物販系が候補。店舗は権利者が権利床として半分程度を取得する見込み。

 国補街路整備事業の増額は、都市計画道路3・3・175号梅戸橋桜川線整備事業についてのもの。当初予算では2億8800万円を確保。すでに一部工事を発注しており、9月議会で承認を得てから地盤改良工事を複数工区に分けて発注する予定。

 泉町1丁目北地区市街地再開発事業では、15年度に計上し、執行しなかった分の事業費を設定。同事業は新たな市民会館を整備するもので、本年度から設計に着手し、20年度の完成を目指していく。

 長期保有地については、6億6043万7000円で普通財産2万117・91㎡、7億8546万2000円で都市計画道路用地8771・27㎡を取得する。土地開発公社は1973年に設立。2009年度以降は市からの用地取得の依頼はない状態で、公社への債務保証期間が本年度末までであることから、解散する方向で検討を進めている。12月議会で土地取得議案および解散議案を提出し、都市計画道路3・3・2号線用地以外の土地は不動産会社を活用して売却する見通し。

 このほか、酒門町排水路新設工事(契約額=4億8600万円、相手方=菅原・田口建・コスモJV)、市立下大野小学校長寿命化改良工事(4億4820万円、株木・雲井JV)、市立中央図書館・博物館大規模改修工事(1億9029万6000円、関根・北島JV)、市立サッカー・ラグビー場人工芝張替え工事(1億8576万円、横田・高橋建JV)の契約締結についての議案を提出する。


 【図=配置計画、写真=旧リヴィン跡地】

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