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山梨県リニア交通局

リニア環境未来都市/整備方針案を決定

2017/02/14 山梨建設新聞

 県はリニア建設推進本部会議を10日に開催し、甲府市大津町に整備されるリニア中央新幹線駅の周辺と近郊を対象エリアとする「リニア環境未来都市」の整備方針素案を決定した。駅周辺では、駅北側にパーク&ライド用駐車場や駅前広場を、駅南側には駅前広場に加え、「観光交流・産業振興エリア」として情報発信、サービス提供、交流の機能を整備する。北側と南側を結ぶ南北自由通路も整備する。


 駅から4㎞程度を対象とする近郊エリアには、定住や産業、エネルギーなどの機能を配置する。建設を構想している総合球技場は、同都市のエリアに整備するとし、本県にふさわしい整備を目指す。

 リニア環境未来都市整備方針は、リニア開業効果を本県の発展につなげるため、県土づくりの一環として策定する。

 素案によると、駅周辺は、交通エリアと観光交流・産業振興エリアに区分し、利便性の高い魅力的な施設を整備する。交通エリアでは、駅北側に中央自動車道のスマートICに直結する道路、パーク&ライド用駐車場、駅前広場(交通広場)を、駅南側には駅前広場を整備し、新山梨環状道路からの新入路の設置を検討する。

 駅北側と南側とを結ぶ南北自由通路も整備。自由通路の改札口は、浸水対策をはじめ利便性などを考慮した位置となるようJR東海と協議する。

 「観光交流・産業振興エリア」は駅南側に整備する。情報発信、サービス提供、交流の機能を想定。緑地、駐車場、インキュベーション施設、研究施設、広場も整備する。

 事業主体については、整備内容を踏まえ関係機関と協議。整備手法は民間の資金やノウハウの活用を検討する。

 駅近郊については、産業の振興や定住などを促進する。

 土地利用については、駅周辺は基本的に行政などが主体となって都市的土地利用を図る。駅近郊は、駅徒歩圏は都市機能を、それ以外では低未利用地などの活用、農地の活用などで必要な機能を誘導する。

 建設推進本部会議で本部長の後藤斎知事は「今年は、リニア開業まであと10年。本県発展の土台を作ることが一番大事になる。大きくリニア効果が発揮されるよう、知恵を出し合って進めていただきたい」と、各部局の活動に期待を寄せた。

 整備方針素案は県ホームページに掲載。3月13日までパブリックコメントを実施して意見を募り、3月の本部会議で基本方針として決定する。

 県では2017年度予算案に、リニア環境未来都市整備事業費として、地形測量や造成計画などに2992万円を計上している。



【図、写真=リニア環境未来都市の対象エリア、県の本部会議】

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