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無足場アンカー協会など・3団体で県内初となる大規模講習会を開催

2017/09/23 群馬建設新聞

柔構造物工法研究会(田畑茂清会長)とエコ・パワーネット工法会(清水明彦会長)、無足場アンカー協会(加藤勝弘会長)の3団体は19日、群馬県で初めとなる大規模な合同講習会を前橋市にある前橋問屋センターで開催した。施工条件の厳しい現場でも施工できる無足場アンカー工法や落石対策などに大きな効果を発揮する柔構造物工法、斜面対策工などの従来技術に代わる高強度ネット工法などについて説明。施工性の向上だけでなく、環境への負荷が低減されることなどの特長は、多方面から大きな期待を寄せられている。講習会には建設コンサルや施工業者などのほか、県の関係者も数多く参加、総勢約70人が新しい技術の説明を熱心に聞いた。

冒頭、3団体を代表して無足場アンカー協会会長で、アイビック(富岡市)の加藤代表取締役社長は「近年、地球温暖化の起因とされます海水温の上昇により、大雨災害が多発しております。これは河川の氾濫、そして斜面崩壊が主な被害であります。本日、皆さまに説明させていただく工法は、斜面崩壊対策、そして落石対策において従来工法よりも格段にCO2の排出量を減少させることを可能にした工法、つまり地球温暖化の抑制に貢献できる工法でございます。十分環境に配慮した斜面崩壊対策、落石対策に理解を深めていただければ幸いです」と述べた。

講義では、無足場アンカー工法と柔構造物工法、高強度ネット工法について説明。無足場アンカー工法は従来の工法では施工が困難な現場でもグラウンドアンカー工法や鉄筋挿入工、集排水ボーリング工が可能になる新技術。仮設足場を必要としない、二重管削孔が可能、削孔機械が軽量などが特徴で、標高の高い山腹やダム湖・川、狭い道路に面した斜面などで大きな効果を発揮する。

落石対策や崩壊土砂対策、土石流・流木緊急対策などで特に大きな成果をあげている柔構造物工法は、より確実に落石などを捕捉するだけではなく、自然環境への負荷が少ない。従来の擁壁タイプの防護工と比較して柔構造物工法による柵タイプの防護工では、自然の改変量が少なく、周辺環境の復元も容易にできるのも大きな特徴の一つ。

高強度ネット工法は斜面対策工として多く施工されてきた吹付枠工+鉄筋挿入工などのコンクリート構造物を用いる工法に代わる技術。施工性の向上や工期短縮が見込まれだけではなく、従来の吹付枠工で用いられるコンクリート構造物と比較すると1000㎡あたりのCO2の排出量は、材料製造段階時のみの数値で9分の1になるという。さらに周辺景観との調和、産業廃棄物や騒音・振動・粉塵の大幅削減、交通規制の大幅緩和・縮減、大気・土壌・水質汚染の減少など環境問題にも対応している。

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