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長野県建設部建設政策課技術管理室

舗装の半数で簡易Ⅱ型、来年1月から試行

2017/11/17 長野建設新聞

 県技術管理室は、舗装工事について総合評価落札方式(簡易Ⅱ型)を試行する。簡易Ⅱ型は従来の総合評価落札方式よりも評価項目が少ない形式。他の工事と比較して舗装工事はくじ引き発生率が高く、特に受注希望型競争入札では6割以上がくじ引きとなっている。このため、すでに委託業務で実施している簡易Ⅱ型を導入することでくじ引き発生率を減らす方針。受注希望型で予定している舗装工事(3000万円未満)のうち半数で試行する。開始時期は2018年1月。

 舗装工事における簡易Ⅱ型の評価項目は「工事成績」を必須項目とし、各2項目を設定された「施工体制」「地域要件」「社会貢献」「技術者配置」では各1項目を発注機関が案件ごとに定める。価格以外の評価点は6.0点、価格点は94.0点で計100点となる(詳細は表を参照)。

 工種別くじ引き発生率(2016年度)は土木一式22%、とび・土工・コンクリート28%、舗装は50%、全体では25%。舗装工事の内訳は受注希望型64%、総合評価5%という状況。

 また建設事務所別では大きな差が見られる。各事務所別で舗装工事のくじ引き発生率を見ると、千曲建設は3件中3件で100%くじ引き。北信建設は19件中17件で89.5%。飯田建設は21件中16件で76.2%。上田・長野は7割超、須坂は6割。低い方では、大町建設が9件中1件で11.1%。伊那建設は19件中3件で15.8%。諏訪建設は25件中7件で28.0%。佐久・安曇野は3割、松本は4割。木曽は8件中0件。

 試行は13日の県契約審議会で承認されている。舗装工事でくじ引きが多く発生している理由について、県技術管理室では「積算内容が公開されており、価格が想定しやすいために多く起きている」と説明。委員を務める長野県建設業協会の藏谷伸一会長は「ソフトの精度向上と各社のデータ蓄積がくじ引き発生につながっている」と見ている。

 簡易Ⅱ型は委託業務で試行中。試行でくじ引き発生が抑制されているとのデータを県は公開している。

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