松本市は、重要文化財に指定されている旧松本高校の耐震補強工法を、バットレス工法と構造用合板工法の併用から、構造用合板工法のみとすることに変更した。
バットレス工法は、建物本体の主壁に対し直角方向に突き出した補助的な壁(バットレス)を作り、補助壁と梁を固定する工法だが、この工法だとバットレスが目立ち、既存の建造物の概観イメージを変えてしまい、文化財的価値を低下させる恐れがある。また、バットレスの設置は、強固な基礎を必要とするが、敷地内は埋蔵文化財包蔵地である県町遺跡に該当し、遺跡を破壊する恐れもあった。
また、耐震診断についても明らかにした。それによると、当初耐震基礎診断よりもいずれも補強が必要な壁の数が増え、追加耐震基礎診断で講堂の1階45カ所、2階22カ所の合計57カ所。本館は1階が163カ所、2階が38カ所の合計201カ所となった。