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県計画案策定、月内にも施行/建設職人基本法

2018/11/10 長野建設新聞

 県、県建設業協会、県建設労働組合連合会などで構成する県建設工事従事者安全健康確保推進会議は6日、県庁で第3回会合を開催し、「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律」(建設職人基本法)に基づく長野県計画案を策定した。県による決裁を経て11月中にも施行する。

 計画案は、8月の前回会合での意見を反映し、原案を部分的に修正。適正な請負代金の額に関しては、建設工事従事者の安全及び健康に関する経費ととともに、「法定福利費等」についても適切に確保する必要があることを明記。また、社会保険などの加入徹底の項目では、「建設業法第31条に基づく立入検査の実施(法定福利費に係る確認・指導)」を追加した。

 今会合では計画を市町村へもしっかりと周知することが必要との意見が上がり、県は「策定後、市町村へ送付するとともに、発注者協議会などの機会を捉えて、周知していく」とした。

 本会議は今後、計画の取り組み状況を確認するため年1回開催し、意見や情報の交換を行うことにしている。

 県計画案に盛り込まれた主な施策・取り組み次のとおり。(抜粋、カッコ内は実施者)

 【建設工事の請負契約における経費の適切な積算等】 ◆最新の労務単価等を反映した予定価格設定(県)◆適正な労働賃金支払を評価する入札制度(総合評価落札方式)(県)◆建設業法第31条による立入検査(県)◆安全衛生経費確保に関するリーフレットでの周知(長野労働局)◆週休2日を前提とした適正な工期設定(県)◆「設計変更ガイドライン」等による適正な工期延長(県)

 【責任体制の明確化】

 ◆講習会等による法令順守の徹底(県)◆安全衛生講習等の実施(建災防県支部)

 【建設工事の現場における措置の統一的な実施】

 ◆施工プロセスのチェックリストによる現場確認(県)◆「元方事業者による建設現場安全管理指針」に基づく指導(長野労働局)◆公共工事受注者を対象とした安全講習等の実施(県)◆安全衛生教育用テキスト等による安全衛生教育等の実施(長野労働局)◆講習会等による周知、啓発(県)◆一人親方等の労災保険特別加入制度への加入促進等(長野労働局)

 【建設工事現場の安全性の点検及び安全等に配慮した設計、工法等】

 ◆工事成績評定における安全衛生管理に関する評価(県)◆信州危険の見える化推進運動の実施(長野労働局)◆関係団体等と連携した建設現場安全パトロール等の実施(長野労働局)◆ICT(情報通信技術)活用工事の推進、技術普及(県)◆公共工事受注者を対象とした安全講習等の実施(県)◆熱中症予防教育の実施、安全講習会の開催(建災防県支部、県建設労連)

 【建設工事従事者の安全及び健康に関する意識の啓発】

 ◆公共工事受注者を対象とした安全講習等の実施(県)◆安全衛生管理、災害防止活動等の講習を実施(長野労働局)◆安全衛生講習等の実施(建災防県支部)◆労働安全衛生対策に積極的な企業を「安全衛生優良企業」に認定(長野労働局)◆講習会等への講師(保健師)派遣、パンフレット配布、メールマガジン配信等による健康づくりや健康経営の取組支援(県)

 【墜落・転落災害の防止対策の充実強化】

 ◆関係機関・団体の情報共有等(県)◆個別の現場に対する指導等により「より安全な措置」等の普及を促進(長野労働局)

 【建設工事従事者の処遇の改善及び地位の向上を図るための施策】

 ◆入札参加資格申請者に社会保険等の加入を義務付け(県)◆建設工事の1次下請負業者を社会保険加入業者に限定(県)◆建設工事における適正な労働賃金の支払を評価(総合入札制度)(県)◆講習会等による周知・啓発(県、県建設業協会、県建設労連)◆県発注工事における週休2日の実施(県)◆過重労働防止対策の推進、適正な労務管理の実施に係る指導(長野労働局)◆毎月第2土曜日を休日とする「プレミアムサタデー」の取組推進(県建産連)

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