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建設業労働災害防止協会長野県支部上小分会

上小分会が現場安全パトロール

2019/03/06 長野建設新聞

建設業労働災害防止協会長野県支部上小分会(栁沢昌美分会長)は4日、年度末恒例の工事現場安全パトロールを実施。当日はあいにくの雨模様となったが、分会員企業からの参加者は工事現場における第三者災害防止や現場における安全管理の徹底を精力的に呼びかけた。

出発に先立ち上小建設会館で行われた打ち合わせ式で栁沢分会長は「昨年1年間の管内の建設業労災発生状況は14件で、前年比2件増となった。そのうち土木は8件で前年の4件から倍になった。さらに事故防止に努力していかなければならない」と強調。続けて「1カ月前には管内で死亡事故が発生した。屋根から大工さんが転落したことによるものだ。今回、建築を重点にパトロールを組んでおり、個人住宅もしっかりと見ていきたい。こうした労災防止活動の繰り返しが事故防止につながる。労災ゼロを目標に監督署や県から一層ご指導を得て、また前回から女性部会からも参加しており、それぞれの目線で指摘してほしい」と呼びかけた。

続いて上田労働基準監督署の中川署長は「年度末の重要な時期のパトロール。年度末に向けた対応を行い、労災発生件数を減少すべく皆さまと協力して有意義なパトロールとしたい」と求めると、発注機関を代表して上田建設事務所の荻野参事兼所長は「建設部の発注工事における労災発生状況は、平成29年度に6件だったのに対し平成30年度は1月末現在で11件と増加している。今年度は通常事業に加え2月補正や災害復旧工事があり、発注機関としても安全意識の高揚に努め、安全対策の徹底と労働災害防止に向け取り組んでいく」との姿勢を示し、協力を求めた。

班編成やパトロールの日程を上小支部安全部会の山浦部会長が行った後、労働基準監督署や県発注期間、建設業協会安全部会・建災防のそれぞれ参加者が土木4班、建築2班にわかれて打ち合わせを行った後、パトロールに出発。その中で栁沢分会長や中川署長も加わった建築1班は、最初に上田合同庁舎南棟ほか耐震改修工事現場を訪問。施工は栗木組で、現場代理人を務める同社の小須田さんが現在の進捗率はおよそ3割で、これまでに土工が概ね終了したことから、来週からは鉄骨工事に向けた準備に入ることなどが説明された。パトロール員からは第三者対策や現場の安全管理について質問があった。

パトロール終了後には上小建設会館にもどり報告会を実施。各班のパトロール結果について現場写真を見ながら、安全管理や施工管理について良かった点や留意点を報告。これを受けて県発注機関や指導員による意見、さらに中川署長が総括を行い、安全意識を共有した。

パトロールのもよう

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