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総合評価 技術者要件で加点/週休2日やICT活用/検討案

2019/07/06 長野建設新聞

 県は建設現場における働き方改革を推進するため、「週休2日工事」と「ICT活用工事」の取り組みを総合評価落札方式で評価する。技術者要件に新たな項目を設け、配置技術者が実績を有する場合に加点する形を考えている。運用は2020年4月からを予定している。

 この方針は6月28日に県庁で開かれた北信地区企業向けの入札制度改定説明会で、検討中の案として示された。

 県は現在、原則全ての建設工事を「施工者希望型週休2日工事」とし、必要な工期をあらかじめ設定。実施した場合には達成度に応じて3段階の補正係数を乗じて経費を増額するとともに、工事成績で加点している。19年度上半期には、週休2日に取り組むことを指定し、当初設計で必要経費を計上する「発注者指定型週休2日工事」も導入する予定。

 またICT技術の活用については、建設部が発注する全ての建設工事を「施工者希望型」のICT活用工事とし、実施した場合は工事成績で加点。さらにICT活用工事の実施を必須とし、必要経費を当初設計で計上する「発注者指定型」も開始した。これらの実績を総合評価落札方式で評価することにより、働き方改革を推進し、建設業の持続的な担い手確保につなげていく。

 週休2日、ICT活用とも実施した場合には履行実績証明書を発行しており、技術者の実績の確認は同証明書により行うことを考えている。説明会の質疑では、実績の有効期間を「証明書発行日から1年間」とする案に対し、「期間が短すぎるのでは」との意見も上がった。

 技術管理室は「対象工事や評価方法等は現在検討中」としているが、どのような形となるにせよ、2つ施策に対する積極的な対応が、担い手確保だけでなく、今後の受注競争に有利に働くことは確実とみられる。

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