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【安全衛生経費】工種ごとにチェックリスト作成を

2019/10/08 本社配信

 建設現場における災害を確実に減らすため、安全衛生経費が下請負人まで確実に支払われる実効性のある施策を検討している国土交通省は、7日に開いた関係者による実務者検討会で施策案を提示した。注目の施策では、元請け業者と下請け業者が建設工事の請負契約または追加・変更契約を締結する際に、双方が工事に必要な安全衛生対策を確認しやすいチェックリストを工種ごとに作成、普及を図る。チェックリストには、工種別に必要な安全衛生対策の標準的な項目、手続きの流れなどを記載し、需要が高い工種から順次作成する。具体的には来年にワーキンググループを設置して検討を進める。

 また現行の公共土木工事や公共建築工事の積算体系における安全衛生経費の積算方法について、特に高次の下請けとなる業者へ周知して意識啓発を図る。足場や交通誘導警備員など個別の積み上げで積算されている安全衛生経費に関しては、民間工事を含め、できる限り積み上げによる積算を推奨し、意識啓発のための支援ツールも作成する。工事全体に共通して必要となるバリケードや標示板、保護具類、安全訓練の費用など、特定の費用区分の総額に一定率を掛けて算出する安全衛生経費は、諸経費動向調査を参考にしながら、諸経費率や算定式を改定した場合にはその内容を地方自治体や建設業者の参考となるように分かりやすく周知する。

 他にも適切な安全衛生経費の確保のためのリーフレットの充実や、安全衛生経費の実態に関する調査の継続、各主体がまとめたガイドブック・事例等のホームページ上での一元化、発注者向けおよび一人親方向けのリーフレットの新規作成などを計画している。

 実務者検討会では年末までに施策を取りまとめ、建設職人基本法に基づく基本計画の見直しに内容を反映させる。

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