記事

事業者
栃木県芳賀地区広域行政事務組合

芳賀広域、基本計画策定 火葬炉5~6基、新斎場17.7~19.4億試算、RC一部2階2537~273

2020/04/16 日本工業経済新聞(栃木版)

 芳賀地区広域行政事務組合は、新斎場建設基本計画を策定した。構造はRC造平屋建て一部2階建てを想定。建物面積と建設費は火葬炉数で変動。延べ床面積2537平方m~2737平方m、建設費17億7000万円~19億4000万円を試算。従来方式の事業スケジュールは、用地確定後に設計者、火葬炉メーカーをプロポーザルで選定。基本設計、実施設計を1年程度の期間で実施する。工事期間は1年半から2年程度を見込む。新火葬場の供用開始後に既存火葬場を解体し、周辺環境を整備する見通し。基本計画は火葬研(東京都千代田区)が担当した。

 必要火葬炉はピーク期1日当たり13件の火葬が可能な5~6基を想定。2基タイプ(火葬炉2基で1つの炉前ホール)と1基タイプ(火葬炉1基で1つの炉前ホール)で比較検討。

 想定される火葬炉工事費を含めた建設費は5基2基タイプ(延べ2537平方m)で17億7000万円、5基1基タイプ(同2542平方m)で17億8000万円、6基2基タイプ(同2647平方m)で18億9000万円、6基1基タイプ(同2737平方m)で19億4000万円。

 機能別の面積は車寄せ・エントランス374平方m、火葬儀式関係諸室270~330平方m、事務関係諸室132平方m、待合部門諸室536~616平方m、炉関係・機械室等968~998平方m、その他階段便所等257~287平方m。各諸室の仕様、詳細は基本設計時に検討する。

 必要な敷地面積は、火葬炉数6基で約9660平方mを試算。建物用地は周囲の外構を含め3360平方m、駐車場面積は約1800平方m。必要駐車台数は職員用を含め60台、身障者用2台、マイクロバス5台を想定。構内道路は駐車場面積半分程度の900平方mとし、周辺に配慮した環境緑地は約3600平方mを算出した。

 建設候補地は①敷地からの景観が優れる②周辺の環境緑地が確保されやすい③幹線道路からのアクセスに優れる④水源地となっていない⑤地すべり、出水等災害の恐れが少ない⑥構成市町の人口重心-を考慮して選定する。

 新斎場施設整備の基本方針は①新たなニーズに対応できる施設②人生の終焉の場として落ち着きとやすらぎを感じる施設③人にやさしく、安心して利用できる施設④周辺環境に配慮した潤いある施設⑤維持管理がしやすく効率的な施設。

 施設は告別室、炉前ホール、収骨室が一体で待合室からの会葬者想定人数は35人。火葬炉2基で炉前ホールを構成する場合は2倍の70人まで入る大きさを想定した。

 火葬炉5基では2基タイプ、1基タイプいずれも事務関係諸室、待合部門諸室、炉関係・機械室等、その他階段便所等の面積は変わらず、2基タイプでは炉室等が火葬炉1基分のスペースが予備スペース扱いになり面積の差は少ない。

 火葬炉6基の場合は2基、1基タイプいずれも事務関係諸室、待合部門諸室、その他階段便所等の面積は変わらない。しかし、1基タイプの方が炉前ホール面積が大きくなり関連して火葬儀式関係諸室面積と炉関係、機械室等面積も増加。全体面積は2基タイプより100平方m大きくなる。

 事業方式は従来型の分離発注方式と一括発注方式のDB、DBO、PFI方式を検討。従来手法のスケジュール例で示した基本設計では建築設計、運営計画(動線計画)、火葬炉設備計画を実施。実施設計で最終仕様書の確認、備品計画、積算、発注手続きを行う。

 同時進行する造成工事の計画・設計では緑化計画や雨水・防水計画、地質、地籍調査を実施。工事業者を入札で決め進入路等のインフラを整備する。

 建築工事は造成工事後に入札。工事期間は1年半から2年。火葬炉は建築との工程を協議し設置する。

 建設地は現地建て替えを含め構成市町、上三川町から検討。現地建て替えの場合は敷地拡張が必要。今年度の選定が目標ながら、必須となる地元説明会の開催は未定。新型コロナウイルス対策を優先的に取り組んでいく。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら