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県道路公社、トンネル、伝送設備を更新、6月橋梁設計、年末に補強工事、日光道に27.6億投入

2020/04/17 日本工業経済新聞(栃木版)

 県道路公社は、2020年度の日光宇都宮道路(日光道)リニューアル事業計画をまとめた。次年度以降の工事に備え、6月を目途に日光IC橋、八坂橋、山王橋の補強設計をそれぞれ委託。9月頃には神主山トンネルの遠方監視設備更新工事、受配電設備更新工事を各1件、宇都宮IC~大沢IC間約11・7㎞の伝送設備更新工事を2分割発注する。年末には舟ケ沢橋、神主橋、銭沢橋の補強工事を発注。今年度は事業期間で最大となる約27億6600万円を投入。老朽化施設の大規模補修、耐震補強、長寿命化を一体的に推し進める。

 今年度の予算額は道路設備機器維持改良費約17億4300万円、道路構造物大規模修繕費約10億2300万円。事業期間は2016年度から23年度までの8年間。総事業費は約89億円(大規模修繕約45億円、設備更新約44億円)を見込んでいる。

 橋梁補強設計を委託するのは宇都宮IC~日光IC間に架かる宇都宮市内の八坂橋(石那田町)、山王橋(徳次郎町)の4車線区間と日光IC本線料金所上のシェルター式ランプ橋の日光IC橋(日光市七里)。長寿命化と耐震補強の両面を充足させる。

 八坂橋は橋長37・4m、幅員10mの2橋が上下線で隣り合う鋼単純非合成鈑桁。委託料は約600万円。山王橋は橋長14・7m、幅員10mの2橋が上下線に架かるプレテンション単純T桁。委託料は約600万円。4橋は1975年の架設で築45年が経過する。

 日光IC橋は橋長106・9m、幅員6~9・4mの長大橋。2径間連続PC床版3連。79年に架設され、築41年が経過する。委託料は約1000万円。日光道には39橋(PC14橋、鋼11橋、RC10橋、複合4橋)があり、計画修繕に取り組んでいる。

 神主山トンネルは日光ICの約1㎞先に位置。延長908m、幅員8・5m(車道7m)。81年に完成し、築39年が経過。遠方監視設備更新工事は予算額約9000万円、受配電設備更新工事は予算額約7000万円。設計は基礎地盤コンサルタンツ(東京都)。

 2分割発注する宇都宮IC~大沢IC間の伝送設備更新工事の予算額は、それぞれ約8000万円。分割方式は宇都宮IC~篠井IC間、篠井IC~大沢IC間。主に中央分離帯に埋設されたメタルファイバー網を光ファイバー網に敷設替えする。

 年末に発注する橋梁補強工事は片側1車線の対面通行区間が始まる日光ICから終点部の清滝ICに向かって舟ケ沢橋、神主橋、銭沢橋の順に立地。3橋とも築39年が経過する河川橋。3橋の工事予算額は約2億7000万円。

 舟ケ沢橋は橋長10m、幅員10mの単純RC床版。神主山トンネル内に架かる。伸縮装置の継ぎ手交換、舗装修繕、壁式高欄断面修復、コルゲートアーチの防錆処理交換を一括発注する。予算額は約6000万円。設計はダイミック(宇都宮市)。

 神主橋は橋長74m、幅員10mの鋼2径間連続鈑桁。路面上部と路面下部を2分割発注する。上面は伸縮装置継ぎ手交換、舗装修繕、防水槽改修、下面は橋台クラック補修、支承交換、塗り替え。予算額は約1億1000万円。設計はニュージェック(東京都)。

 鳴虫山トンネルの出口付近に架かる銭沢橋は橋長156・5m、幅員10mの鋼5径間連続鈑桁。前年度からの2カ年継続となり、新たに発注するのは路面上部のその2工事。予算額は約1億円。設計は富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)。

 日光道は東北自動車道と交差する宇都宮ICを起点に、清滝IC間を結ぶ総延長30・7㎞の有料道路(自動車専用道)。観光シーズン中の国道119号と120号の慢性的な交通渋滞を解消するバイパス路線の位置付け。第1次緊急輸送道路に指定されている。

 1期区間の宇都宮IC~日光IC間の24・7㎞は1976年12月に供用を開始、2期区間の日光IC~清滝IC間の6㎞は81年10月の供用開始により全線が開通。日本道路公団の分割民営化に伴い、2005年6月から管理を引き継いだ。

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