記事

事業者
埼玉県

県企業局が中原・埼玉車輌JVの現場で専門研修

2020/08/26 埼玉建設新聞

 県企業局は5日、2020年度工事担当職員研修を行った。同局が発注し、草加市柿木町内で中原・埼玉車輌JVが施工しているプレキャスト地下式調整池「総選除)元草加-23号調整池築造工事」の施工状況を見学した。同局の技術系職員15人が参加し、プレキャストブロックを設置する瞬間などを見学した。

 冒頭に鈴木喜弘主席工事検査員は「新型コロナウイルスと熱中症への対策をした上で研修会を行います。プレキャスト式コンクリート貯留槽の現場は、なかなか見る機会がありません。皆さんにとって貴重で有意義な体験になれば良いと考えています」とあいさつした。

 続いて監理技術者の野中実氏(中原建設)が見学会の概要を説明。「1本約20トンのプレキャストブロックを、350トン吊りの大型クレーンで1日に8本のペースで据え付けています。本日は設置状況や安全管理の工夫などを見ていただきます。そのほかドローン操縦体験、変位システム実技も行います」と話した。

 密集を避けるために、研修はA・Bの2グループで現場見学と座学とに別れて実施した。全員にフェイスシールドを配布し、こまめな水分補給とアルコール消毒など、コロナ・熱中症対策を講じて進めた。さらに座学では、入室前に全員が発熱スキャナー(サーモグラフィーカメラ)を通って着席した。

 座学では現場代理人の高橋渉氏(中原建設)が工事概要や進捗状況を説明。調整池はプレキャスト製コンクリートブロック組立式で、寸法は幅29・8m、延長132m、高さ7・98m、貯留容量は約1万8500立方メートルと大型であることなどを伝えた。またトータルステーションなど3次元変位計測システムを導入している。現場は地盤改良を経て本体築造に入っており、11月の本体工竣工を見通している。

 プレキャスト調整池の施工実績は全国で938カ所(3月末現在)。特徴として上面利用できる点があるという。竣工後は、草加市が公園整備を計画している。参加した企業局職員からは「地下式プレキャストコンクリートの調整池整備は県であまり例のない工事なので、見ることができて勉強になった」「ドローンや変位計測システムなど、3次元の技術の導入が大分進んでいることを実感できて良かった」といった声があった。

記事資料

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら