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(社)埼玉県建設業協会

埼建協、青経部会が防災シンポジウム2020開催

2020/08/28 埼玉建設新聞

 埼玉県建設業協会(伊田登喜三郎会長)と同協会青年経営者部会(平岩敏和部会長)は27日、市民会館うらわ(さいたま市浦和区)で埼玉防災シンポジウム2020を開催した。会員各社の意識を高めて災害対応力を強化することが目的で、埼玉県が後援した。大野元裕知事が「次なる災害に備える強靭な埼玉の構築」と題して特別講演を行った。

 冒頭に伊田会長は「新型コロナウイルス感染症の拡大防止が叫ばれる中、開催の是非を含め、さまざまなご意見を頂戴いたしました。しかしながら、本年も熊本県や山形県をはじめとする各地で大規模な降雨災害が発生しています。本格的な台風シーズン前にこのようなイベントを開催することは大変意義深いものではないかということで、十分なコロナ対策を講じつつ、開催することとした次第です」とあいさつした。

 そして地域建設業が直面している大きな課題として「将来的な施工力、現場力を維持していくこと」を挙げ、今後も「県内建設業が安定した経営の下で、災害発生時には真っ先に現場に駆け付け、しっかりと復旧活動を行うことができるよう、公共事業費の確保や工事の平準化などの要望活動をはじめとしたさまざまな取り組みを進めてまいる所存です」と宣言した。

 その上で「大規模自然災害などに対しましては、現状の限られた人員の中で対応していかなければなりません。地元の道路や河川などの緊急措置・応急復旧ができるのは、われわれ地域建設業だけであり、地域の守り手として、社会的責務を適切に果たしていくことが求められています。このシンポジウムの開催により、災害対応力の向上にお役に立つことができれば幸いです」と締めくくった。

 第1部は災害対応事例紹介で、昨年のCSF(豚熱)、令和元年東日本台風による県内の災害対応事例を学ぶことを目的に行われた。具体的には▽都幾川右岸緊急復旧(比企支部)▽CSF対応事例(秩父支部)▽埼玉県災害対応活動状況(県土整備部)――について説明、認識を共有した。

 第2部の特別講演で大野知事は県土強靭化緊急治水対策プロジェクトや砂防関係施設の整備促進などについて説明。さらに「あと数マイルプロジェクト」などによる強靭な道路網の構築、橋梁の耐震化、無電柱化などを進める考えを強調した。

 また県内建設業の働き方改革を推進するために適正な工期設定や施工時期の平準化を、さらに生産性向上に向けてICT施工や3次元測量・設計を進める展望を示した。

(シンポジウムの詳細は9月16日付掲載予定)。

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