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「逃げ遅れゼロへ」信濃川中流および魚野川減災対策協議会

2020/10/15 新潟建設新聞

 信濃川中流および魚野川大規模氾濫に関する減災対策協議会は、12日に「台風19号豪雨災害から1年・逃げ遅れゼロを目指して」をテーマに講演会を開催した。長岡科学技術大学が共催し、同大学の細山田得三教授が「令和元年台風19号による洪水の水理学的特性と防災意識高揚への提言」について講演。過去の水害記録を数値化し、治水対策で今後取るべき対策を説明した。

 磯田達伸市長が「昨年の台風19号による被災から1年がたつ。国や県、信濃川沿線上の各自治体が協力し合い、被災箇所の復旧から防災対策に向けた各種工事、水位計や河川カメラの設置など住民の目に見える形で取り組みが進んでいる」と評価。その上で「本会議で自治体ごとの成果を共有し『逃げ遅れゼロ』の達成に向け一丸になって取り組もう」と呼び掛けた。

 北陸地方整備局信濃川河川事務所の室永武司事務所長は、信濃川で展開中の河川改修について解説。令和元年台風19号の被災箇所のまとめや完成した復旧工事、施工中の事業を紹介したほか、大河津分水路改修事業の進展状況を発表した。

 長岡市危機管理防災本部危機管理防災担当の上村武史課長も、長岡市今井地区の浄土川で発生したバックウォーター現象と信濃川との水位変化を調査・報告し、長岡方式の避難行動として訓練の実施状況、早期退避のための迅速な情報伝達と事前準備の必要性を訴えた。

 燕市総務部の十河浩防災主幹は、広報誌によるマイ・タイムラインやハザードマップの市民周知促進、今後開催を計画する教育施設や商工会、地区協議会、老人ホームなど各コミュニティーでの講演会の実施や、災害発生直後の緊急対応策について共有化を図るための手段や取り組みを伝えた。


【写真=「目に見える形で防災対策が進んでいる」とあいさつする磯田市長】

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